FEATURE 106

モノグラムの意味。

FEATURE 106

モノグラムの意味。

ベースボールチームのモノグラムがあしらわれたキャップをかぶることが、そのチームに対するサポートの表しであると感じたのは、アメリカによく足を運んでいた’90 年代のことでした。

ベースボールが国技だということもありますが、キャップをかぶる人口がとてつもなく多く、それでいてその土地のローカルチームのものを身に着ける人たちが男性、女性、年齢、人種といったギャップをあっさり飛び越えてしまっているのが、なんだか素敵でとても羨ましく感じたものです(当時の日本では日常的にキャップをかぶる大人はほぼいない時代でした)。

学校に通う若者、働く大人、散歩するお年寄りといった、街ゆく、ありとあらゆる“違いのある”人たちが、ひいきのローカルチームのキャップでユナイトしているその光景に、街の誇り、街でサポートしようという強い意気込みを感じました。

それゆえに、チームのモノグラムには、厚みがあり格式があります。チームを抽象化したものがモノグラムであって、そのモノグラムのもとにみんなが気持ちをひとつにできる。概念的ですが、モノグラムやロゴの役割ってそういうことなんじゃないかなと思います。

DESCENDANT はベースボールチームではありませんが、ブランドのアイデンティティーや理念に共感してもらえる人たちと一緒に、このモノグラムでそういった気分になれるといいなと思う、今日この頃です。

西山徹

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