FEATURE 152

VISUAL MANUAL FIRST HALF

FEATURE 152

VISUAL MANUAL FIRST HALF

シーズンを重ねていっても、それはたとえば、スウェットシャツ、トラッカージャケット、ネルシャツ、チノパンツ、ビーニーといったように、つくっているものはいつもと変わりません。

つくるものは変わらないのですが、ムードは変わります。
変わるというよりも、初期の衝動を受けたあの感じを少しずつ掴んできているような感覚なのかもしれません。好きだったカルチャーとともに、ファッションというものを見はじめた80年代のあの頃のムードが、DESCENDANTでは今もどこかに生きているように感じています。身近で、ふつうなものだけど、揺るぎのないスタイルをひとつ持っている。その人なりのマナーがあるような。

さまざまな人たちの手を借りながら、DESCENDANTという輪郭がかたどられつつあるのだと、10年経ってわかってきました。それは、もちろん僕だけのものではなく、どんどんまわりに広がってくれているような感覚です。スタッフにも、街で着てくれている人にも、海で着てくれている人たちにも。

ダービージャケットは久しぶりにつくりました。裏地がペイズリー柄のものが正式なのだと思いますが、DESCENDANATのマナーに合うようなピンストライプに。オレンジのスウェットはオーバーダイで、当時からそのままあったかのような雰囲気で。今見ると、ナイロンのトラックジャケットは90年代のテニスのトラックスーツのようですね。手には必ずボストンバッグを。意図はしていなかったのですが、着てくれている彼もテニスプレイヤーでした。

西山徹

Back to Features