FEATURE 23

音楽と服の関係性

自分とファッションの間には様々なカルチャーが詰まっています。
その中でも大きな比重を占めているのが音楽です。

音楽はいつも時代を投影します。
かつて自らが過ごした日々の記憶を喚起するのは勿論、
振り返れば、個人的な時間以上にその時代そのものに刻まれた目印のようだったり、
昔の音楽が時代を超えて、今の自分を励まし、奮い立たせてくれたりもします。

また、音楽がファッションに影響を与えることも少なくありません。
子供の頃には好きなアーティストの格好を真似したり、同じものが欲しくて探したものです。
自分自身も中学・高校時代にはBEASTIE BOYSのスタイルにとても影響を受けました。
でも今では、音楽がインスピレーションやオマージュといった意味合いで、
服づくりのバックグラウンドになることがあります。

何をするにも音楽を聴きながら、というのが日常に沁み付いた習慣であり、
食事中、食器洗い中、移動中、仕事中……
どんなシチュエーションでも音楽は身近な存在です。

音楽には色々なインスピレーションがあります。
ある曲を聴くと、心地良かったり、勇気が出たり、楽しくもなれば悲しくもなったり。
唐突に情緒的な気分に襲われて一人涙ぐむなんてことも。
同じ音楽を聴いても自分のテンション次第で、色合いの変わるインスピレーション。
ポジティブにもネガティブにも作用して、イメージが走馬灯のようにやって来ます。
メロディや歌詞、それぞれに違ったパワーを持つ音楽は、もはや人生に欠かせないものです。

好きなアーティストとの出会いには様々なケースがあります。
メロディに惹かれることもあれば、
歌詞の持つ力強さに興味が湧くこともあったり、
信頼できる人に勧められたり、
アーティスト同士のコラボレーションや名曲のカバーがきっかけになることも。

ときに、古い音楽にインスピレーションを得た服づくりであっても古さを感じさせないのは、
昔の時代感のまま影響を受けたわけではなく、既に音楽そのものが時代を超えて、
新しい何かに変わっているからではないでしょうか。

何年も聴き継がれる音楽があるように、長く着続けられる服、それがDESCENDANTの理想。
とは言うものの、服の場合、たとえば10年後にクローゼットの奥から引っ張り出して
『これまだ着れるじゃん!』といった感じかもしれません。
実際、自分が作って随分前に着ていた服を今になってこどもたちが着ているという意味では、
長く着続けられる服だったのかなと思います。

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