FEATURE 69

SEASON'S GREETINGS DCDT 2023 SS COLLECTION

DESCENDANTを始めて、そろそろ10年が経とうとしています。
洋服はそれなりに「らしさ」という個性を持って存在し始めてきました。
移りゆく季節を通し、さらには日々の生活の中でDESCENDANTというアイデンティティを表した服というものは整ってきましたが、今シーズンのVISUALでは、そんな服はどんな人たちがどのように着ているのか、そこで働いてる人やその周りの人々にも集まってもらい、写真家の荒井さんを迎えて改めてポートレイトという手法を用いて、被写体である人物にフォーカスし、DESCENDANTというアイデンティティを人から再発見してゆこうという実験的な試みを行っています。

今回のコレクションは、春夏の季節感に合った明るいカラーやテキスタイルを展開し、ドレープにこだわり、アイテムごとのファブリックを丁寧に選びました。
カラーはライトブルーやライトグリーンといった中間色をシーズンパレットに、ピグメントダイによる淡いカラーのアイテムが目立っています。
コットンならデニムやツイル、ナイロンならタッサーやオックスフォードなど、主にトラウザーズやショーツでバリエーションを展開しました。
グラフィックは春夏の様式として、海にモチーフを得たもの。
またテキスタイルはピンストライプ、オンブレ、マドラス、ギンガムチェックなど。
赤と白、青と白から成る大きめのギンガムチェックはオールドスクールな柄ですが、人が着ているのを見たときに良さを感じてもらえるよう、ショーツやバケットハットの他、ドリズラージャケットの裏地にも使っています。

DESCENDANTは、ファッションに興味がある無いに関わらわず、着ている人のパーソナリティを問わない、3世代をも許容できるような、違和感なく人に溶け込んでいる服、「ふつう」だけど
今だからこそファッションという文脈を持ったブランドを目指しているのかもしれません。

FEATURE