FEATURE 91

DIRECTOR'S CUT AUTUMN 2023

『DIRECTOR’S CUT』では、DESCENDANT 2023 Autumn & Winterから秋の6つのスタイルを紹介します。それぞれのスタイルについての、ディレクターのこぼれ話も一緒に。

JACKET: VENT NYLON JACKET
CUT&SEWN: GAUFRE WAFFLE CREW NECK
PANTS: SMOCK OXFORD TROUSERS CORDURA
HAT: CACHALOT 6PANEL

この間LAを訪れた際に、僕の友達のまた友達の10代の息子たちに手伝ってもらい秋のコレクションを撮影しました。彼はジェイという名前で、着てくれたのは、DESCENDANTの初期にリリースしたことのあるジャケットをアップデートさせた「VENT」。LAから少し北に、車で1時間くらいのところにベンチュラってエリアがあるのですが、そんなベンチュラをイメージして作ったジャケットです。ロングカーリーのジェイの雰囲気にはピッタリだし、時代感もわからなくなっているのが面白くて。彼が着てくれたことで、見たかったものが見れたような気がします。

JAKET: ROCKET OXFORD LS SHIRT CORDURA
PANTS: DC-3 ORGANIC COTTON TWILL TROUSERS
HAT: SKI BEANIE

もうひとりの彼は、レジェンドサーファーでありアーティストである父を持つノアです。彼はスケートボーダーで、ビデオグラファーもやっているようです。そんな彼にかぶってもらったジャカード織のカフ付きのスキーニットキャップは、昔こんなキャップが盛んだったであろうこの地で、彼らのような子たちがかぶっているのを見てみたかったんです。オールドマンスタイルなタック入りのチノパンツも若い彼にはあまり馴染みのないものかと思いましたが、ちゃんと自分らしくはいてくれていました。着ているシャツはコーデュラ®社のコットンナイロンのオックスフォード生地を使ったプルオーバーなのですが、信頼のある機能素材の生地には興味を示していましたね。

CUT&SEWN: SEMAPHORE CREW NECK
PANTS: DC-6 ORGANIC COTTON TWILL TROUSERS
HAT: DUTY BEANIE

ブロンドのカーリーなロングヘアというのもあって、『FAST TIMES AT RIDGEMONT HIGH』という80年代前半の映画の中に存在したキャラクター、スピコリ(ショーン・ペン)と彼がオーバーラップしました。実際には劇中で着ているわけではないのですが、このような襟やモチーフが配色になったスウェットシャツは色がとても豊かな環境で見ると、とても気分が上がります。些細なディテールがとても生き生きと見えてきますよね。

JACKET: ALE WEATHER JACKET
PANTS: DC-6 GDT CORDUROY TROUSERS
HAT: DUTY BEANIE

ノアはとにかくこのジャケットを気に入ってくれていました。ブリティッシュスタイルのオイルドコートが由来のオールドマンスタイルですが、アメリカの10代の男の子がクラシックなものを見て、いいなと思うのって発想が自由でいいですよね。太畝のスラックス仕立てのコーデュロイパンツもそうで、オールドマンスタイルの最たるものだと思うのですが、ジェイとふたりでこそこそと「このパンツもヤバい」って話しているのがなんだかかわいかったですね。

CUT&SEWN: BUOY STRIPE POLO LS
PANTS: GALLEY DENIM TROUSERS
HAT: CETUS 6PANEL

このデニムパンツはDESCENDANTではバギーなシルエットのカテゴリーなのですが、ジェイはこれはスキニーだって言っていて。彼は身長も高いですし、彼らのいる環境だとこのパンツも細いくらいなのでしょうね。あと、ジェイが着ていたボーダーのシャツを見て、ノアがすれ違いざまに、「それ、いいストライプだね」って声を掛けていて、彼らからしてもこの太めのピッチにはどこか新しさがあるものに映ったのだろうなって感じました。

SHIRT: BRONSON ORGANIC COTTON TWILL LS SHIRT
PANTS: DC-6 GDT ORGANIC COTTON TWILL TROUSERS
HAT: DUTY BEANIE

ワークスタイルからイメージを作ったコーディネートですが、ノアが着ている姿を見ると、ワーカーのコーディネートというよりも、ただワークウェアを着ただけで、ワーカーのスタイルを真似ようとしているようには見えないところが“似合っている”ということになるんだなって思いました。撮影中に街中でポストマンを見かけましたが、完全に制服を自分のものにして同一化させた着こなしは目を奪われるほど魅力的でした。

ノアもジェイもそうですが、着るほどにDESCENDANTの服が馴染んでいきました。ふたりともすぐに自分のものにしてくれて、自分らしい着方で着てくれたと思います。ノアの手はスケートボードで怪我したのかと思っていたのですが、よくよく聞いたら車の事故だったそうで、ちょっと恥ずかしいんだよって言っていたのが印象的でした。

西山徹

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