FEATURE 154

オータム・イン・トウキョウ。

FEATURE 154

オータム・イン・トウキョウ。

夏が長くなり、感覚的に冬だと思っていたところに秋がある。

なんだか不思議ですよね。今年はちゃんと寒くなってきているので、慌てて衣替えをしています。そして、衣替えをしながら、着ることについてぼんやりと考えていました。

ファッションは繰り返されて、今に生きていくのだと思います。自分たちは好きなものがあって、それがアメリカだったりスケートボードだったり音楽だったりしたわけですが、今の若い人たちも同じように好きなものに自然と影響を受けて自分のスタイルをつくっています。初期衝動のままに、頭でっかちにならずにスタイルをつくっていく。たとえば、往時のネルシャツやチノパンをその第一印象で今の生活にすっと取り込むような感覚が、どこか真似ではない、コンテンポラリーなスタイルになっているのかもしれません。

自分が似合うものと似合わないものが何かをちゃんとわかって服を着る。細かいところまで気をつかって、着ないものも決めている。それが好きなものを着るってことのはじまりのような気がするし、自分が何者なのか? どこから来たのか? ということを見つめ直すきっかけになるのかもしれません。

Descendant Tokyoのスタッフたちはどうでしょうか。東京で過ごすのが日常の彼らが、そういった感覚で東京のここにいる。でも、服のことばかり考えているわけではなくて、散歩をしたり、スポーツをしたり、ベンチでサンドイッチを頬張ったり。

僕はといえば、やたらとDVDを買って、映画を観たり。本も何冊も併読してみたり(今までは1冊ずつしか読めなかったんですけどね)。なんだか、最近あらためて、秋って季節の食材がたくさんあるのだなって気づいたり。秋刀魚や栗、きのこ、さつまいもやら、柿とかも。今更ですけど。

西山徹

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